京都商工会議所主催「第4回IT活用セミナー」に代表・仙入が登壇しました

京都商工会議所主催「第4回IT活用セミナー」に
代表・仙入が登壇しました
主催:京都商工会議所|会場:京都経済センター7階|講師:株式会社ノーコードソリューションズ 代表取締役 仙入 功樹
2026年10月26日、京都商工会議所が主催する「第4回IT活用セミナー」で、弊社代表の仙入功樹が講師を務めました。テーマは「AIエージェントの活用でAIを『部下』にする!」です。経営者・管理職の方に向けた90分の講演で、仙入はAIエージェント「Claude Code」と、AIを前提に作った基幹システムを会場で実際に動かしました。Claude Codeでは、参加者の方の会社を題材に、新規事業の提案スライドをその場で作っています。あわせて、組織でAIを取り入れる2つの進め方と、侵入されても事業を止めないためのセキュリティ対策をお話ししています。この記事では、講演の内容と参加者アンケートの結果をお伝えします。
どんなセミナーだったのか
このセミナーは、京都商工会議所が地域企業のIT活用を支援するために開いている連続セミナーの第4回で、参加費は無料でした。
会場参加のお申し込みは、開催の1か月ほど前に定員の75名に達しました。後日の動画視聴とあわせたお申し込みは170件を超えています。申込者の業種は製造、卸売、小売、建設、サービスと幅広く、役職欄には代表取締役や取締役の方が多く見られました。
講師の仙入は、京都大学工学部情報学科で人工知能・機械学習・数理最適化を専攻しました。エンジニアとプロジェクトマネージャーの立場で、30件以上のAIエージェント開発とシステム構築を主導しています。
講演は次の3部で構成しました。
- Claude Codeで何ができるか:参加者の方の会社を題材に、Claude Codeで新規事業の提案スライドを作るところまで会場で実演しました。
- 企業のDXをどう進めるか:社内データの整え方から入り、基幹システムの刷新と社員研修という2つの進め方を比べました。
- AI時代のセキュリティとガバナンス:完全な防御はできないという前提に立ち、被害を限定する備えと事業を復旧させる備えまで設計に含める考え方をお伝えしました。
Claude Codeで何ができるのか
Claude Codeとは、Anthropic社が提供するAIエージェントで、日本語の指示を受けてPC内のファイルを探し、読み、作り、書き換える作業を自律的に進めるツールです。チャット画面で文章を返してもらう使い方と比べて、Claude Codeは、ファイルを探すところから資料を作って保存するところまで、より多くの作業に関与できます。
スライドでは、Claude Codeの活用例として次のようなものを紹介しました。
- 営業電話の架電状況を管理するシステム
- 会計ソフトや営業管理ツールのデータを集め、前月比・前年比や予算と実績の差まで自動で計算する経営ダッシュボード
- テキストで条件を書いて起こした3DCADのモデル
- プロンプト(AIへの指示文)だけで組んだWebサイト
PCの中から領収書のデータを拾い出して、Excelにまとめる。集めた企業情報をもとに、5体のAIエージェントに新規事業の案を議論させる。京都商工会議所のホームページに置く想定で、FAQチャットボットを作る。どれも日本語の指示だけで頼める作業で、講演ではClaude Codeへの指示の例として紹介しました。長い指示はキーボードで打つより声で話しかけたほうが速いので、音声入力も勧めています。
会場では、講師のPCでClaude Codeを実際に動かしました。題材にしたのは、会場にお越しいただいた参加者の方の会社です。その会社で実際に提案できる新規事業の案をClaude Codeに考えさせ、提案用のスライドに仕上げるところまでをその場で進めました。会場の皆さまには、参加者の会社について作業が進んでいく様子を、スクリーンでそのままご覧いただきました。
ただし、Claude Codeを幅広い業務に使うには、まず社内のデータをAIが参照できる状態に整える必要があります。その整え方が、2部目のテーマです。
DXが十分な成果につながらないのはなぜか
2部目の冒頭では、PwCの「日本企業のDX推進実態調査2024」を引用し、国内企業のDX(デジタル技術を使った業務と経営の見直し)の多くが十分な成果に至っていないことを示しました。仙入はその理由として、データベースの整備と人材育成が軽視されていることを挙げています。
仙入は、AIエージェントを、各社が何もしなくても進化していくものと捉えています。各社が自分で進められるのは、AIが参照する社内データの整備と、そのデータを業務で使う人材の育成です。社内データを整えたあとの会社の姿は、中堅〜大企業の場合として次の図で示しました。
社員の手元にあるPDFや画像、個人が持っている知識を、AIエージェントが構造化してクラウドのデータベースに蓄えます。社員はAIを通じて、データベースにある社内マニュアルや過去のクレーム対応を調べます。経営層は、AIエージェントに戦略の検討や販売管理を手伝わせます。目指すのは、社内のデータを全部知っている「AI社長」のような存在を、経営層が手元で使える状態です。
基幹システムの刷新から入るか、社員研修から入るか
組織でAIを取り入れる進め方として、講演では、基幹システムの刷新から入るトップダウン型と、社員研修から入るボトムアップ型を比べました。
| トップダウン型 | ボトムアップ型 | |
|---|---|---|
| やること | 社内の基幹業務を、AIを前提にしたシステムで標準化する | 社員のAIの使いこなしを研修で引き上げ、生産性を上げる |
| 講演で挙げた良い点 | 業務が特定の人に頼らなくなる。全業務のデータが一か所に集まり、分析に使える。古いシステムを刷新でき、維持費も下がる | 今の業務の流れを変えずに始められる。効果が目に見えるまでが早い。国の助成金で研修費用を抑えられる |
| 講演で挙げた注意点 | 基幹システムを入れ替えるため、一定の費用がかかる | 使い方が社員一人ひとりに頼るぶん、属人化はかえって進みやすい。プロジェクトとして立ち上げないと、中途半端に終わることがある |
当日の投影資料をもとに弊社で整理。助成金は、講演で紹介した厚生労働省の研修費用向けの助成制度を指します。
トップダウン型の具体的な形として、大企業以外の会社に向けた構成も示しました。販売・在庫・購買・生産・顧客・文書の管理を、AIで扱うことを前提に作った基幹システムにまとめます。そのうえで、基幹システムの統合データベースをChatGPTやClaudeから読み取ります。
会場では、この考え方で作った基幹システムのデモを実際に動かしました。
セキュリティは「侵入されたあと」まで設計する
3部目は「緊急」と題して、セキュリティとガバナンスを取り上げました。講演の前提は「完全な防御は現実的に不可能」です。
仙入は、情報漏えいの入口を社内と社外に分けて説明しました。社内の入口は、会社が把握していない生成AIに顧客名簿や設計情報を入れてしまうシャドーAI、AIエージェントによる社内データの意図しない書き換え、メールの宛先や添付ファイルの取り違えです。社外の攻撃者が狙うのは、古いVPN(社外から社内ネットワークへつなぐ仕組み)機器の脆弱性、フィッシングで盗んだIDとパスワード、更新されていないサーバーです。
社外からの侵入がどこに集中しているかは、警察庁の統計で示しました。「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等」によると、ランサムウェアの侵入経路を答えた有効回答36件のうち、VPN機器が18件、リモートデスクトップが9件で、あわせて75%を占めます。典型的なランサムウェア攻撃では、データが盗まれるうえに、受注・出荷・請求の業務も止まります。
このうちスライドで「特に重要」としたのは、3段階目の「復旧する」です。スライドには「基幹システムが使えなくなったら、明日の出荷をどうしますか」という問いを載せました。そのうえで、システムが止まる前に決めておくこととして、手作業で受注や出荷を回す手順、重要なシステムごとに止めてよい時間と失ってよいデータの範囲、システムを戻す順番を挙げています。
新しいセキュリティ製品に費用をかける前に確かめてほしいのは、次の点です。VPN機器は最新か。多要素認証は入っているか。バックアップから本当に復元できるか。UTM(社外との通信の出入口に置く、複数の防御機能をまとめた機器)のような製品も、入れるだけではVPNの脆弱性や情報漏えいをすべては防げません。機器の更新、設定、認証の運用と組み合わせる必要があります。
社内のAI利用を把握する手段としては、弊社が開発している製品を紹介しました。会社が許可していない生成AIの利用を検知する「シャドーAIみえるくん」と、社員によるClaude CodeなどのAIエージェントの操作を記録する「Agent Guard」です(セキュリティ事業のページ)。
参加者アンケートで評価された点はどこか
終了後のアンケートには10名の方からご回答をいただきました。満足度(5段階)は「5」が3名、「4」が7名で、全員が4以上でした。
| 設問(複数回答) | 回答 | 人数 |
|---|---|---|
| 特に参考になった内容 | 生成AI・Claudeの活用方法 | 7名 |
| 業務のIT化・自動化の進め方 | 3名 | |
| 不正アクセス・セキュリティ対策 | 3名 | |
| 今後取り組みたいテーマ | 生成AIの社内活用・研修 | 8名 |
| セキュリティ対策の見直し | 5名 | |
| 基幹システム・業務システムの刷新 | 4名 | |
| 補助金・助成金を使った導入 | 3名 |
2026年10月26日実施のアンケート(回答10名)を弊社で集計。複数回答で、主な回答を掲載しています。
今後取り組みたいテーマでは、10名中8名が「生成AIの社内活用・研修」を選んでいます。自由記述には「わかりやすかった」「とても良いセミナーでした」という声のほか、「実際のPCを使ったセミナーもやっていただけたら」というご要望もいただきました。
登壇を終えて
今回の講演は、講師がPCでClaude Codeを操作する様子をスクリーンでご覧いただく形でした。アンケートでは、参加者ご自身がPCで試せる形式を望む声もいただきました。京都商工会議所の皆さま、ご参加いただいた皆さまに御礼申し上げます。
弊社は、京都大学で情報学・工学を専攻したメンバーを中心とするAI開発の専門チームです。参加者ご自身がPCでClaude Codeを操作する形式の研修は、AI人材研修としてお受けしています。京都府内でのAI導入の事例と進め方は、京都のAI活用ページにまとめました。
DOCUMENT|PDF・全62ページ
当日の投影資料をダウンロードいただけます
当日投影したスライドをPDFにまとめました。Claude Codeの活用例、DXの2つの進め方、侵入されたあとの備えを含むセキュリティ対策を収録しています。社内での共有や検討にお使いください。
トップダウン型の進め方をさらに詳しく知りたい方には、資料「AIネイティブな基幹システムへの刷新」もご用意しています。
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