基幹システム開発の外注先を比べる|金額以外の5つの基準

触って学べる基幹システム 無料デモ

基幹システム開発の相見積もりを取ると、金額だけを見て発注先を決めてしまいそうになります。しかし同じ要件を渡しても、提案の中身・保守体制・見積もりの前提条件は会社ごとに大きく異なります。金額の安さだけで選んだ結果、稼働後の保守が手薄だったり、想定していなかった追加費用が発生したりする相談も少なくありません。この記事では、提案書や見積もりを比較するときに確認すべき5つの視点と、比較を誤ると起きること、相見積もりの進め方までを整理しました。読み終えたときに、金額の横に何を並べて比べればよいかを判断できる状態を目指しています。なお、提案書を読み比べる前に完成形のイメージを揃えておきたい方は、基幹システムの無料体験デモで実際の画面を操作できます。登録もインストールも要りません。

この記事の結論

  • 基幹システム開発の外注先選びは、金額・専門領域の近さ・保守体制・見積もりの前提条件・体制の継続性の5つを横並びで比較すると、稼働後のトラブルを減らせる
  • 安い見積もりほど「どこまでが金額に含まれているか」を先に確認する必要がある。保守・運用や追加改修が別料金になっているケースは珍しくない
  • 相見積もりは要件定義書の叩き台がある状態で依頼すると、各社が同じ前提で見積もるため比較しやすくなる

執筆について:本記事は、京都市左京区(百万遍)に拠点を置く株式会社ノーコードソリューションズが、中小企業の基幹・業務システム開発を要件定義から実装、運用引き継ぎまで担ってきた実務に基づいて執筆しています。受発注・見積・与信管理・生産管理など、複数業種・複数業務領域での開発実績があります。

目次

金額だけで比べると失敗しやすい理由

複数社から見積もりを取ると、まず目に入るのは金額です。しかし基幹システム開発は、同じ「要件」を渡しても、開発会社ごとに見積もりの前提(何を含み、何を含まないか)が異なります。安い見積もりが、実は保守費用や追加改修費用を別枠にしているだけということもあります。

比較の軸 金額だけを見た場合に起きること
専門領域の近さ 業種・業務が近い実績が無い会社に依頼し、要件の勘所を毎回説明し直すことになる
保守・運用体制 稼働後の問い合わせ窓口や改修対応の速さが会社ごとに違うと気づかないまま契約する
見積もりの前提条件 「一式」の中身が会社ごとに違い、後から追加費用が発生する
体制の継続性 担当者の入れ替わりが多い体制だと、要件の理解が引き継がれない

この記事では、金額の横に何を並べて比較すればよいかを、次章の5つの視点で具体化します。業務システム全般の要件定義から発注までの流れは業務システム開発の進め方ガイドで、パッケージ・クラウドERP・個別開発のどれを選ぶかは基幹システムの基礎知識で整理していますので、発注方針そのものに迷っている場合はあわせてご覧ください。

前提として、この記事が扱うのは「刷新か追加開発か」「パッケージかクラウドERPか個別開発か」の方針がすでに定まり、複数社から見積もりが出そろった後、どこに発注するかを決める段階です。方針決定そのものに迷っている場合は、先に上記2記事で全体像を確認してから戻ってくることをおすすめします。

外注先の比較で迷っている方へ

提案書・見積もりの読み方から、自社に合う発注先の絞り込みまでご相談いただけます。まずは資料のご確認、またはオンラインでのご相談からお気軽にどうぞ。


提案書・見積もりで確認する5つの視点

相見積もりが出そろったら、次の5点を横並びで確認します。すべてを完璧に満たす会社は多くありませんが、どこが弱いかを把握したうえで発注すると、稼働後のトラブルに事前に備えられます。

1

専門領域・実績業種の近さ

自社の業種・業務領域に近い開発実績があるかを確認します。実績が近いほど、要件の背景を毎回説明しなくても提案の精度が上がりやすくなります。実績業種を明言できない会社は、提案書の中身を特に注意して読む必要があります。

2

保守・運用体制

稼働後の問い合わせ窓口、障害対応の目安時間、定期的な改修対応が保守契約に含まれるかを確認します。基幹システムは稼働後の方が付き合いが長くなるため、開発時の提案内容と同じくらい重視すべき点です。

3

見積もりの前提条件の透明性

「一式」とだけ書かれた見積もりは、含まれる作業範囲が読み取れません。画面数・帳票数・連携先の数など、金額の根拠になる数量が明記されているかを確認します。根拠を尋ねたときにすぐ説明できる会社ほど、見積もりの精度が高い傾向があります。

4

プロジェクト体制と担当者の継続性

要件定義から稼働後の保守まで、同じ担当者が関わり続ける体制かを確認します。フェーズごとに担当者が変わる体制だと、要件の背景や過去の判断理由が引き継がれず、同じ説明を繰り返すことになりがちです。

5

契約形態と検収基準の明確さ

請負契約の場合、どの状態をもって完成とするか(検収基準)が契約書に明記されているかを確認します。基準が曖昧なまま契約すると、納品後に「仕様どおりかどうか」で見解が割れることがあります。準委任・請負の使い分けは業務システム開発の進め方ガイドで扱っています。

比較を誤ると起きること

  • 金額の安さだけで発注先を決めたが、保守契約が別料金で、稼働後の年間費用が想定より膨らんだ:見積もり時点で保守・運用の範囲と費用の枠組みを確認していないと、稼働後に想定外の費用が積み上がる
  • 提案書の実績業種が近かったため発注したが、実際の担当者は別業種の経験しかなかった:会社としての実績と、実際にアサインされる担当者の経験は別物。体制表で担当者の実績まで確認しないと見えない
  • 検収基準を確認せずに請負契約を結んだが、納品物が「仕様どおり」かどうかで見解が割れた:完成の定義を契約前に文章で合意していないと、修正対応が追加費用扱いになるかどうかで交渉が長引く

5つの視点をすべて同じ重みで見る必要はありません。自社にとって何が譲れないかを先に決めておくと、比較検討にかかる時間を短縮できます。たとえば稼働後の保守が最重要なら、視点2を最優先で確認する、といった優先順位のつけ方です。5つとも横並びで甲乙つけがたい場合は、提案時のヒアリングでどれだけ具体的な質問を返してくるかも、判断材料の一つになります。


相見積もりの進め方|依頼社数とタイミング

相見積もりは、依頼するタイミングによって比較のしやすさが変わります。要件が固まりきる前に依頼すると、各社が置く前提条件がばらつき、金額の単純比較が難しくなります。

基幹システム開発の相見積もりを比較しながら打ち合わせする様子
依頼のタイミング 比較のしやすさ
要件がまだ曖昧な段階 各社が独自に前提を補うため、金額の単純比較が難しい
業務フロー図と課題一覧がある段階 大枠は揃うが、細部の見積もりに幅が出やすい
要件定義書の叩き台がある段階 同じ前提条件で見積もりが集まり、比較しやすい

依頼社数は2〜3社が目安です。多く依頼するほど比較の手間が増え、各社への説明にかかる時間も膨らみます。要件定義の進め方や、刷新か追加開発かの方針決定については業務システム開発の進め方ガイドで5段階に分けて解説していますので、発注前の準備から見直したい場合はあわせてご確認ください。AI開発領域での発注先選びの考え方はAI開発会社の比較・選び方、AI受託開発の進め方はAI受託開発の進め方を参照してください。


基幹・業務システムの開発事例

実際の開発では、上記5つの視点がどう活きるかを事例で見るのが分かりやすいです。

見積書作成の自動化(製造業)

見積もり作成にかかる工数を自動化する開発を行いました。稼働後の改修依頼にも同じ担当者が継続して対応する体制を組んだことで、追加の要望が出た際も要件の背景から説明し直す必要がありませんでした。

見積書作成自動化の事例を見る

与信管理・債権回収の効率化(卸・製造業)

与信管理と債権回収に関わる業務を効率化する開発を行いました。開発前に対象業務の範囲と見積もりの前提を明確にしたうえで着手し、稼働後の追加費用の発生を抑えられています。

与信管理・債権回収効率化の事例を見る

このほか、生産管理システムのリプレイス受注書処理の自動化など、業務領域の異なる開発実績があります。

提案書に載る画面イメージだけでは、自社の業務がどう載るかまでは判断しにくいところです。基幹システムの体験デモは業種を選ぶとサンプルデータが入った状態で始まり、在庫・受発注・原価・ダッシュボードをその場で動かせます。各社の提案を読む前に自社に必要な画面を絞っておくと、見積もりの前提がそろって比較しやすくなります。


費用の比較で見落としやすい点

見積もりの金額を比較するとき、開発費用だけを見て保守・運用費用を見落とすと、稼働後の年間コストで想定とずれが生じます。開発費用と保守費用は分けて確認し、稼働後何年でどの程度の費用になるかを目安として聞いておくと、比較の精度が上がります。同様に見落とされやすいのが、要件定義後に仕様変更が発生した場合の費用の扱いです。変更の都度見積もりを取り直すのか、一定範囲まで契約金額に含まれるのかは会社によって異なるため、契約前に確認しておくと稼働後の交渉がスムーズになります。

補助金の活用を検討する場合、対象になる費用の範囲は制度ごとに異なるため断定はできません。申請の可否や最新の要件は必ず公式情報で確認してください。お見積もりは個別対応です。投資対効果の考え方はAI導入の費用対効果、開発以外も含めた業務効率化の進め方は業務効率化の進め方ガイドで整理しています。


よくある質問

Q.見積もりの金額差が大きいとき、何を疑えばよいですか。
A.まず見積もりに含まれる範囲(保守・運用費用、追加改修の扱い)が同じ前提かを確認してください。前提が違うと、金額差が単純な技術力の差には見えません。安い見積もりほど、何が含まれていないかを具体的に聞き返すことをおすすめします。

Q.実績業種が近い会社が見つからない場合はどうすればよいですか。
A.実績業種が完全に一致しなくても、類似の業務プロセス(受発注・在庫・与信管理など)での実績があれば、要件のすり合わせは進めやすくなります。提案時のヒアリングの質で判断する方法もあります。

Q.相見積もりは何社に依頼するのが目安ですか。
A.2〜3社が目安です。要件定義書の叩き台をそろえたうえで同じ条件を渡すと、提案内容と金額を比較しやすくなります。

Q.保守体制はどのタイミングで確認すればよいですか。
A.発注前の提案段階で確認してください。稼働後に確認すると、体制の変更を交渉する余地が狭くなります。

Q.刷新するか追加開発にするか、まだ決めきれていません。相談できますか。
A.相談できます。方針が決まりきっていない段階でも、現行業務の棚卸しから一緒に整理できます。


まとめ|外注先の比較は金額の横に5つの視点を並べる

基幹システム開発の外注先選びで手戻りを減らす鍵は、金額だけでなく、専門領域の近さ・保守体制・見積もりの前提条件・体制の継続性・契約形態を横並びで比較することです。すべての視点を完璧に満たす会社は多くないため、自社にとって何が譲れないかを先に決めておくと、比較検討がスムーズに進みます。

相見積もりは、要件定義書の叩き台がある段階で依頼すると、各社が同じ前提で見積もるため比較の精度が上がります。発注方針そのものに迷っている場合は、業務システム開発の進め方から見直すことをおすすめします。

当社は京都市左京区(百万遍)を拠点に、中小企業を対象に要件定義から実装、運用引き継ぎまでを担う基幹・業務システム開発を提供しています。外注先の比較で迷っている段階からご相談いただけます。

登壇・セミナー実績

神戸商工会議所でAI活用セミナーに登壇する様子
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神戸商工会議所・石川県庁など、各地の商工会議所や自治体でAI活用セミナーに登壇しています。現場で得た知見をもとに、京都の中小企業のAI導入を支援しています。

監修

ノーコードソリューションズ 代表取締役 仙入功樹

仙入 功樹 せんにゅう こうき

代表取締役

ノーコードソリューションズ COO 吉村祐樹

吉村 祐樹 よしむら ゆうき

COO

本記事はAI導入支援の実務担当が監修しています。京都の中小企業を中心に、AI導入の相談から開発・研修・運用定着までを支援しています。監修者の経歴と登壇実績はメンバー紹介をご覧ください。

基幹システム開発の外注先選びは、ノーコードソリューションズにご相談ください

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