受注データ変換ソフトの作り直し|作成者の退職で直せなくなったExcelのマクロを再構築【食品メーカー様】

パンメーカーで、中身の分かる形に作り直した事例
大阪府のパンメーカー様で、取引先から届く受注データを販売管理システムに取り込むための変換ソフトを作り直しました。元のソフトは社外のSE(システムエンジニア)がExcelのマクロで作ったもので、作成者の退職後はパスワードが分からず、誰も中を直せない状態でした。
大阪府のパンメーカー様の受注処理を支える変換ソフトを、弊社が作り直しました。以前の変換ソフトは、作った社外のSEが退職したあとパスワードが分からなくなり、取引先がデータの形式を変えると受注データを取り込めなくなっていました。弊社は仕様書のない古いソフトの動きを、変換前と変換後のデータからたどって新しいソフトに置き換えています。切り替えたあと、現場からは作業時間が約1時間短くなったという評価が届いています(2026年9月、窓口のご担当者を通じて伺ったもの)。
課題
取引先のWeb-EDIから届く受注データを、Excelのマクロで販売管理システムの形式に変換していた。作成者の退職でパスワードが分からず、ソースも開けないため直せなかった。
解決策
変換前と変換後のデータを比べて元の変換の仕方をたどり、中身の分かる変換ソフトとして作り直した。開発の前に、取引先22ファイルすべてを変換できるかを検証した。
成果
現場から、作業時間が約1時間短くなった、手入力の仕方もそろった、という評価が届いている(2026年9月、窓口のご担当者を通じて)。
1. なぜ受注データの取り込みが止まりかけていたのか
このパンメーカー様は、パンと焼菓子を製造し、スーパーなどの小売チェーンに卸しています。注文は取引先ごとのWeb-EDIとFAXで届きます。Web-EDIとは、取引先のWebサイトを通じて受注データをやり取りする仕組みです。担当者は取引先のサイトから受注データのCSVファイルを取り出し、変換ソフトに通してから販売管理システムに取り込んでいました。
その変換ソフトは、以前に社外のSEが作ったExcelのマクロで、作成者はすでに退職しています。マクロにはパスワードがかかっていて、社内の誰もソースを開けませんでした。
- 取引先の変更に合わせられない:取引先がデータの仕様を変えると、受注データを取り込めなくなる。
- 仕様書がない:どの項目をどう変換しているのかを書いた資料がなく、ソースも開けなかった。
- FAXの注文は手入力:FAXで届く注文は、紙を見ながら入力していた。入力に時間がかかり、入力ミスも出ていた。
この状態のままでは、取引先がデータの仕様を変えたときに、変換ソフトを直して合わせられません。
2. 仕様書のない変換ソフトを、どう作り直したのか
ご担当者が当初から変えたいと考えていたのは、受注まわりの3つの仕事でした。変換ソフトの作り直し、FAX注文の読み取り、Excelで管理している配合表です。このうち、まず変換ソフトを作り、現場で使えると確かめてからFAXに進むという段階的な進め方を、ご担当者から提案いただきました。
検討の途中で、社員がRPA(パソコンの操作を自動で再現するツール)を覚え、外部に頼らずに業務を直していく案に一度傾いた時期もあります。最終的には、変換ソフトをシステムとして開発する方針に戻り、弊社が開発を担当しました。
開発の前に、取引先22ファイルの変換を検証
弊社は正式な見積もりの前に技術検証を行いました。実際に届いている取引先のWeb-EDIのファイル22本を預かり、すべてを販売管理システムの取り込み形式に変換できるかを確かめています。取り込み先は売上明細で173の項目があり、ファイルの形式や文字コードにも決まりがあります。22本すべてを変換できることを報告してから、開発に入りました。あわせてFAXの注文書11枚の読み取りも試し、次の段階に向けた材料にしています。
変換前と変換後のデータから、元の変換の仕方をたどる
古いソフトの中は見られないため、弊社は変換前のCSVと、変換されて出てきたファイルを比べました。どの項目がどこに移り、どの値がどう書き換わっているかをたどり、元の変換の仕方を復元しています。商品コードは、取引先の80明細を照合して一致を確認できたものだけを採用しました。
新しい変換ソフトは、ご担当者と合意した次の3つの処理を行う仕様にしました。
- 企業名の補完:企業名が入っていない受注データには、納品先の店舗コードから企業名を割り当てる。
- 商品名の短縮:長い商品名を自動で短くする。
- 便による商品コードの違い:同じ商品でも通常便と早い便で商品コードが違う取引先があるため、便を見分けてコードを切り替える。
3. 切り替えたあと、現場では何が変わったのか
BEFORE
- 変換ソフトにパスワードがかかり、誰も中を直せない
- 取引先がデータの仕様を変えると取り込めない
- 変換の仕方を確かめられる資料がない
AFTER(2026年9月時点)
- 作り直した変換ソフトで受注データを取り込む
- 変換の仕方が分かっており、直す場所をたどれる
- 現場の評価で、作業時間が約1時間短縮。手入力の仕方もそろった
現場からは「非常に使いやすくなった」という声が届いています(2026年9月、窓口のご担当者を通じて)。約1時間という数字も同じく現場の評価で、1日あたりの短縮かどうかなどの条件はまだ確認できていません。
稼働後の改修には、弊社が保守として対応する方向で合意しています。次の段階はFAX注文の読み取りで、変換ソフトが現場で使えると確かめてから進める計画です。
4. どの業務を、どんな体制で開発したのか
5. よくある質問
- Q. 仕様書もソースもない古いツールでも、作り直せるかを調べてもらえますか?
- A. 調べられます。弊社は変換前と変換後のデータ、取り込み先の仕様を預かり、作り直せるかを開発の前に検証します。本事例では、変換前と変換後のデータを比べて元の変換の仕方をたどりました。
- Q. 取引先ごとにデータの形式が違う場合はどうしましたか?
- A. 本事例では、実際に届いている取引先のファイル22本を預かり、すべてを変換できることを開発の前に確かめました。御社の場合も、実際のファイルで変換できるかを確かめるところから始めます。
- Q. FAXで届く注文も、自動で取り込めますか?
- A. FAXの注文書をAIで読み取り、データにする方法があります。本事例では、変換ソフトが現場で使えると確かめてから進める段階方式にしました。読み取りの精度は書式や手書きの量によって変わることがあるため、実際の注文書で試してから判断します。
- Q. 社員がRPAを覚えて自分たちで直す方法と、どちらを選ぶべきですか?
- A. 本事例でも両方を検討し、最終的に変換ソフトをシステムとして開発しました。どちらが合うかは、社内で何を直せるようにしたいかによって変わります。今の業務の流れと合わせてご相談ください。
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