【ノーコードソリューションズ|AI Weekly vol.17】先週の重要AIニュース3本(AI導入を阻む規制、政府が10月19日から募集 ほか2本)
こんにちは。ノーコードソリューションズの仙入です。10月1日、高市首相が関係する大臣に、AIを社会に広げるための行動計画を年末までにまとめるよう指示しました。翌2日には内閣府などが、AIの導入を妨げている規制について、10月19日から企業の声を集めると告知しています。米国では9月29日、Google社やOpenAI社など6社のトップがホワイトハウスで、AIの安全管理に関する協定に署名しました。そして9月28日からの3日間で、Anthropic社、OpenAI社、Google社が続けて新しいモデルを出しています。どのAIに何を入れているか、どのAIを使い続けるか。御社でまだ決めていないことを考えるのに、ちょうどよい3本がそろった週でした。
10月1日の日本成長戦略会議で、高市首相は「高性能AIの社会実装は、我が国の成長戦略実現に不可欠」と述べました。そのうえで古川大臣ら3人の大臣に、年末までに3つをまとめるよう指示しています。信頼できるAIで社会全体を動かす「AX」の具体的な姿と、AXに合わせて規制や制度を見直すための原則、そしてAIの社会実装を早めるためのアクションプランです。
翌10月2日には、内閣府・デジタル庁・経済産業省がそろって、AIの社会実装を妨げている規制や制度についての情報募集を告知しました。法律だけでなく、通知や通達も対象です。AIを作る会社に限らず、使う会社の困りごとも受け付けます。受付は10月19日(月)から10月30日(金)17時までの12日間で、フォームも19日から使えるようになります。集まった声は、規制改革推進会議の審議や、7月に閣議決定された「人工知能基本計画」の改定の検討に活かすことを念頭に置いている、とのことです。
今回はあくまで、年末に向けて計画をつくるよう指示した段階です。AIの個別の施策をいつ始めるのか、予算はいくらなのかは、まだ示されていません。一方で、困りごとを送る窓口は開きます。寄せた具体例は、見直しの検討の参考として、所管する省庁に共有される場合があります。
送る対象は、AIを作る、提供する、使うといった場面で妨げになっている規制や制度です。止まった理由が取引先との契約や社内の規程なら、先に取引先や社内の担当者に確かめたほうがよいでしょう。送るときは、どの作業が、どの法律や制度のどこで止まったのかが分かるように書きます。たとえば「法律で保存方法が決まっている帳票をAIで作ろうとしたが、その決まりに合うか読み取れずに見送った」というくらいの具体さです。社外秘の情報は外しておいてください。内閣府などから、詳しく聞かれることもあります。
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まずやること|代表・仙入から
AIを使おうとして見送った作業を1つ選び、止まった理由が法律や制度なのか、取引先との契約なのか、社内の規程なのかを分けて、2〜3行で書き出しましょう! 現場で止まっている具体例を国へ直接届けられる機会は、そう多くありません。法律や制度が理由のものは、19日に受付が始まったらフォームから送ってみましょう!
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9月29日、トランプ大統領と、AIを開発する6社のトップが、ホワイトハウスで「White House Accord on Super Intelligence」という協定に署名しました。AIの安全管理についての協定です。6社からは、Google社のピチャイ氏、Anthropic社のアモデイ氏、Meta社のザッカーバーグ氏、OpenAI社のブロックマン氏、xAI社のマスク氏、Nvidia社のフアン氏が名を連ねています。
協定は、最先端のモデルを開発する会社に、4層の安全管理を求めています。協定の柱は、サイバーセキュリティや、生物・化学分野の脅威に関わる領域で、モデルの能力や振る舞いを見張る仕組みです。モデルが想定外の形でほかのシステムに入り込まないようにすることも含まれます。これに、仕組みが働いているかを確かめて問題を直させる社内のチーム、社外の独立した監査人や評価者、報告を受けて監督する取締役会の独立した委員会が重なります。
ただ、罰則の定めはありません。各社が自分で約束する形の協定で、法律や規則にするかどうかについては「いずれ妥当になるかもしれない」と書くだけにとどめています。参加する会社は定期的に集まって、安全の基準をつくっていくそうです。
同じ日、トランプ大統領は大統領令にも署名しています。法律で認められる範囲で、連邦政府の機関に、公文書やウェブサイトで「AI」を「Super Intelligence(SI)」と呼ぶよう命じるものです。すでに出した規則や契約といった過去の文書までは、書き換えを求めていません。あわせて60日以内に、SIの定義を定める法案の文言を出すよう求めました。
では、御社で使っているAIに何か変わるかというと、協定には利用者の使い方や料金を変える定めはありません。協定の中身は、開発元がモデルをどう作り、どう見張るかです。社員が入力した情報をどう扱うかまでは決めていないので、そこは使っているサービスの規約や設定で確かめることになります。国産のAIや、業務ソフトに組み込まれたAIなら、どの会社のモデルを使っているかも見ておきたいところです。公開資料で分からなければ、提供元に問い合わせます。
AIを使う会社にまで、同じ4層を求める協定ではありません。それでも、使う会社の手でできる確認はあります。どの部署が、何の業務で、どのAIに、どんな情報を入れているか。ここが分からないままだと、入れた情報がどう扱われているかも確かめようがありません。
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まずやること|代表・仙入から
最初は1つの部署に絞って、使っているAIの名前、無料版か有料版か、何の業務に使っているか、どんな情報を入れているかを、その部署の人に書いてもらってください。全社分を一度に集めようとすると、確かめる相手が一気に増えて大変です。表ができたら、入れた内容が学習に使われるか、どのくらい保存されるかを、設定画面と契約で確かめましょう!
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社用でタイムズカーを使っている会社に関わる話です。9月25日、カーシェアのタイムズカーで不正アクセスが見つかりました。運営するタイムズモビリティ社と、同じグループのパーク24社の発表では、約660万アカウントの情報が第三者に取得されています。そのうち約160万アカウントでは、運転免許証などの本人確認書類の画像まで漏れました。退会した人や、入会の手続きを終えていない申込者の情報も含まれます。法人向けのタイムズビジネスサービスも対象で、会員によっては所属部署名も漏れています。クレジットカードの情報は漏れておらず、原因はまだ調査中です。発表の中に、AIが関わったという記載はありません。
両社は対象者に順次、個別に案内するとしていて、免許証などが漏れた会員へのメールは9月29日に始まりました。まずは、パーク24社を装ったメールやSMSのリンクを開かないよう、社員に一声かけておいてください。預けた先で情報が漏れることは、自社だけでは防ぎきれません。それでも、どのサービスに誰の情報を預けているかを把握していれば、今回のような知らせが届いたときに、確かめるべき社員をすぐに絞れます。
AIプロジェクトの進め方と導入フローを受け取る
9月28日にAnthropic社がClaude Sonnet 5.5を、29日にOpenAI社がGPT-6.1 Solを、30日にGoogle社がGemini 4 Argonを発表しました。3日続けての発表でしたが、いつもの画面ですぐ使えるかどうかは、3つでかなり違います。
Claude Sonnet 5.5は、もう使えます。Claudeのアプリにも入りました。Anthropic社によると、前のSonnet 5より文章を出す速さが3割以上上がり、範囲のはっきりした日々の作業や、体裁の整った文書・スライド・表づくりが得意だそうです。APIの料金はSonnet 5と変わらず、100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルです。APIは、会社のシステムからAIを呼び出すときの窓口のことです。同じ作業に使うトークンが減るので、作業1件あたりの費用は最大3割下がったともしていますが、これは同社の試験での数字です。月額プランの料金が変わるという発表はなく、どのプランで最初に選ばれるモデルになるかも、公式には書かれていません。
GPT-6.1 Solについて、OpenAI社は、コード作業やパソコンの操作、専門的な仕事で、上位のGPT-6 Astraに近い性能を出すと説明しています。標準の入出力の単価は、Astraの5分の1です。ChatGPTでは、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduの利用者がChatGPT WorkとCodexの中で使えますが、ふだんのチャット画面にはまだ入っていません。
Gemini 4 Argonのほうは、まだ一般には使えません。Google社はまず、信頼するサイバー防御の担当者やテスターに提供し、その次に有料のAPI利用者とGoogle AI Ultraの加入者へ広げる予定です。無料版やほかのプランでいつ使えるようになるかは、書かれていません。公開前のモデルを米国政府が使えるようにする任意の仕組みにも参加しながら、段階を踏んで提供を広げていくとしています。
APIの料金は、1回あたりに直すとイメージしやすくなります。ここで言うトークンは、AIが文章を処理するときの単位です。仮に、資料を読ませる入力が1万〜1万5千トークンだったとします。100万トークンあたり2ドルなら、入力分は約3〜4.5円です(弊社の概算で、1ドル150円として計算)。AIが返す文章の出力分は、これとは別にかかります。月額プランで使う場合は、この料金ではなく、プランごとの利用上限や追加料金の条件のなかで使うことになります。
乗り換えを決める前に、2本目で作る表から資料や表を作る作業を1つ選び、いま使っているモデルとSonnet 5.5で手直しにかかる時間を比べてみてください。先に「数字が元の資料と合っている」「決まった項目がそろっている」といった完成の基準を書いておき、いつもの指示文で両方に同じ作業をさせます。使う資料からは、社外秘や個人情報を外しておいてください。
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まずやること|代表・仙入から
私はモデルを選ぶとき、各社の試験の数字より、自社の作業で手直しに何分かかったかを見ています。比べるのに使った資料と指示文、完成の基準を「比較用」のフォルダに残しておくと、次のモデルが出たときも同じ条件ですぐ試せます。
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前号では、仕事でよく使っているAIの使い方を伺いました。今号は、日本政府の規制の見直しに向けた情報募集、米国の開発6社による安全管理の協定、3日で出そろった新しいモデルの3本を取り上げました。
今週ひとつだけ選ぶなら、2本目の表づくりです。使っているサービスと業務が分かれば、規約を確かめるサービスも、新しいモデルを試す作業も選びやすくなります。1本目の見送った作業は、10月19日からの情報募集に向けて、別にまとめておいてください。私なら、まず表づくりから手をつけます。
御社では、AIを使おうとして、決まりや社内のルールを理由に見送った作業はありますか。一言で構いません。このメールにそのまま返信していただければ、会社が分からない形で、次号以降の内容に反映させていただきます。
30分でご相談いただけます
初回30分の無料相談では、いま社内で使われているAIと使い方を伺ったうえで、
先に確かめる項目と、そのために集める情報を一緒に決めます。
導入が決まっていない段階でも、ご担当者だけでもご相談いただけます。
弊社が何をどこまで手がけるのかは、サービス紹介資料にまとめています。
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