【ノーコードソリューションズ|AI Weekly vol.11】先週の重要AIニュース3本(清水建設で社内製AIアシスタントが8000個超、日本の生産性実感は57%で世界は81%、Anthropic社が無料の学習サイトを公開)
こんにちは。ノーコードソリューションズの仙入です。先週、清水建設の社内で作られたAIアシスタントが8,000個を超えたという発表がありました。使っている人は1年半で1,200名から8,800名まで増えています。同じ週に、AIで生産性が上がったと答えた日本の従業員は57%、世界平均は81%という調査も出ました。同じ調査で、日本の経営層の78%が今後1年でAI投資を増やすと答えています。世界平均は82%なので、投資に前向きかどうかでは差がついていません。3本目では、Anthropic社がClaudeの使い方を学べるサイトを無料で公開しました。3本とも、AIを配ったあとに社内で何をしたか、という話です。
社員が自分の仕事に合わせて作ったAIアシスタントが、1社で8,000個を超えました。8月20日にLightblue社が発表した、清水建設での利用状況です。法人向けAIアシスタント「Lightblue」の利用者は、2025年4月時点で約1,200名でした。そこから約6か月で4,700名、約1年半で8,800名まで増えています。使われているのは、技術文書の確認、社内ルールの参照、資料作成、問い合わせ対応といった日常の作業です。PDFや図面、仕様書、規定類を検索して要約させる使い方が中心で、建設現場から支店、本社部門まで広がっています。背景には、清水建設が2024年7月に策定した中期DX戦略があります。Lightblue社は、ここまで広がった理由を4つ挙げています。建設業務で扱う技術文書をそのまま検索・要約できること、ユーザー自身が業務に合わせてアシスタントを作れる市民開発型の環境、2025年9月と2026年3月に開いた事例共有会(のべ3,000名が視聴)、そして各支店・部門向けに続けてきた勉強会やワークショップです。
伸びたのは最初だけではありません。半年で4,700名まで増えたあと、その次の1年でさらに倍近くになっています。弊社がご相談を受ける中では、伸びるのは最初の数か月までという例のほうが多いです。全社に配った直後は物珍しさで触られますが、使い方が自分の仕事と結びつかないまま時間が過ぎ、そのうち開かれなくなります。しかし、清水建設はそうなりませんでした。発表が挙げた4つの理由のうち、後半の2つは事例共有会と各部門向けの勉強会です。半年から1年の間隔で繰り返し開かれています。もう1つ、8,800名に対して8,000個という比率にも意味があります。全社員が同じアシスタント1つを使う形ではありません。社員が自分の担当業務に合わせて作ったものが、人数と同じくらいの数だけ並んでいます。弊社が関わった案件を振り返っても、使われ続けている会社では、作った本人が他の人に見せる機会がありました。
ただし、8,000個は成果ではありません。作ったきり使われていないものも混ざっているはずですし、発表には利用頻度も削減時間も書かれていません。自社で追いかけるなら、作った数より先週使われた数を見てください。中小企業でも真似できるのは、共有会の部分です。3,000名を集める必要はありません。大きな会場も予算も要りません。1回を短くして、回数を増やすほうが続きます。朝礼の15分を月に1回、実際に使っている人の画面を見せる時間にあてるだけでも変わります。教える側がうまい人である必要もありません。同じ職場で同じ書類を扱っている人が、どう聞いてどう直したかを話すほうが、外部講師の一般論より早く伝わります。
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まずやること|代表・仙入から
社内でAIをいちばん使っている3名を挙げて、来月の朝礼の15分をその3名に渡してみましょう! 外から講師を呼ぶより社内で見せ合うほうが先だと思っているので、まずはその3名を決めるところから始めましょう!
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アクセンチュア社が8月19日、調査「Pulse of Change」の結果を発表しました。調査期間は2026年4月から6月、対象は20か国19業種の経営層3,000名と従業員3,000名で、うち日本は経営層100名と従業員100名です。AIによって生産性が向上したと答えた日本の従業員は57%で、世界平均の81%を24%下回りました。「特に変化はない」という回答は37%です。仕事の満足度が高まったかを聞いた設問でも、日本は48%、世界平均は71%でした。経営層への質問では、全社的で持続的な成果を実現できたという回答が日本13%、世界23%です。一方、今後12か月でAI投資を拡大すると答えた経営層は日本78%、世界82%でした。リスキリングは会社に頼らず自力で進める必要があると考える従業員は、日本50%、世界45%です。
日本と世界の差が小さいのは、経営層の投資意欲だけです。78%と82%で、差は4%しかありません。ところが生産性が上がったという実感には、24%の差があります。この調査だけでは、生産性が上がったと感じた従業員が57%いる一方で、全社に成果が広がったと答えた経営層が13%にとどまった理由までは分かりません。ただ、従業員の半数が学び直しを自力で進めるものだと答えている以上、社内で使い方を教える手立てが足りているかは確かめる価値があります。自分で調べられる人だけが使いこなしている状態なら、その人たちは「上がった」と答えますが、従業員全体で見た割合は動きません。1本目の清水建設は、検索の使いやすさや自分でアシスタントを作れる環境と並んで、共有会と勉強会も続けていました。どの取り組みがどれだけ寄与したかは分かりませんが、社内で学ぶ機会があったことは一因だったと見ています。
日本のサンプルは経営層100名と従業員100名です。1%の差を論じられる規模ではないので、傾向として読むところまでにしてください。自社はどうかも、5名に聞けば見当がつきます。「AIを使って仕事が速くなったか」「使い方を誰かに教わったか」の2問です。前者がはいで後者がいいえの人ばかりなら、社内には独学で伸びた人しかいない状態です。その中の1名に教える側へ回ってもらうのが、いちばん近い一歩になります。
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まずやること|代表・仙入から
自社のメンバー5名に「AIで仕事が速くなったか」「使い方を誰かに教わったか」の2問を聞いてみましょう! 教わったと答えた人が半分に満たない会社ほど伸びしろが大きいと見ているので、その場合は独学で伸びた1名に、来月の定例で手順を話してもらいましょう!
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Anthropic社が現地時間8月20日、無料の学習サイト「Claude Academy」を公開しました。AIの基礎を扱うコースに加えて、Claude.ai、Claude Cowork、Claude Code、Claude Tag、Claude Platformという製品ごとのコースが並んでいます。職種や目的から選べるユースケース集もあります。サイトの表示は英語ですが、開発途中の試験版(α版)の翻訳機能があり、日本語でも読めます。Claudeのアカウントでサインインすると、どこまで進んだかを記録できます。ITmediaによれば、AIの基礎を知りたい人、Claudeを使い始めた人、チームへの導入を進める人まで、幅広い利用者を想定したサイトです。
モデルを作っている会社が、体系立てた教材を自前で無料公開しました。性能の競争と同じくらい、使い方が広がるかどうかを気にし始めたのだと読めます。会社で取り入れるなら、外部の研修を頼む前に、社員のAIの基礎知識をそろえる教材として使えます。全員が同じ教材を1つ通ると、社内の言葉がそろいます。「エージェント」「コンテキスト」「プロンプト」あたりを各自の解釈で使っている状態だと、会議のたびに定義の確認から始まります。弊社の研修はカリキュラムを会社ごとに組み立てるので毎回同じではありませんが、用語のそろっていない部署では、最初に言葉の確認から入ります。ここを飛ばすと、後半の演習で質問が出てきません。
ただ、日本語は機械が訳したものです。同じ英語の言葉が、場所によって違う日本語になっていることがあります。社内で使う言葉を決めるときは、この訳をそのまま持ち込まないほうがいいです。自社の業務に沿った内容も入っていないため、共通の土台として使い、自社固有の手順は別に用意することになります。それでも、費用をかけずに社員全員へ同じ内容を配れます。1本目で共有会と勉強会が1年半続いていたこと、2本目で半数が学び直しを自力だと答えていたこと。この2つを踏まえると、今週の3本のうち、費用をかけずにすぐ試せるのはこれです。
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まずやること|代表・仙入から
次の定例の冒頭で、Claude Academyの「The 4 Properties of AI」(7分のチュートリアル)を全員で見てみましょう! いきなり4時間の「AI Fluency: Framework & Foundations」に入るより、7分で言葉をそろえるほうが続くと感じているので、まずはこの1本から始めましょう!
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前号の最後に、社内で作った仕組みが動き続けるかどうかの分かれ目を次号で取り上げると書きました。今週の3本が、そのまま答えになっています。清水建設は共有会と勉強会を1年半続けて、利用者を1,200名から8,800名まで伸ばしました。日本全体では、経営層の78%が投資を増やすと答えながら、全社に成果が広がったと答えたのは13%です。そこへAnthropic社が教材を無料で配り始めました。3本を並べると、社内でAIが使われ続けるかどうかは、モデルの性能だけでは決まらないと分かります。使い方を教え合う機会が社内にあるかどうかでも、結果は分かれています。今週ひとつだけ試すなら、1本目の社内共有会です。社内で実際に使っている3名に、来月15分だけ画面を見せてもらってください。誰がどこまで使えているかは、その15分で見えます。社内で教える役を頼む相手も、そこから決まります。
前号では、「社内でAIツールを自作した事例」と「AIに自社を見つけてもらう方法」のどちらを増やすかを伺いました。いただいた返信はすべて読んでいます。今号でひとつ伺いたいのは、社内でAIの使い方を伝え合う機会が、いま御社にあるかどうかです。あるかないかだけで構いません。
研修を検討するときの見極め方をまとめた
「自社に合うAI研修の選び方」など、
検討にそのまま使えるお役立ち資料を公開しています。
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